読書感想文「そして、バトンは渡された」2019年本屋さん大賞受賞作

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ハナです。

小学校?中学校ぶりの読書感想文を書こうと思います。

今回は2019年本屋さん大賞受賞の

「そして、バトンは渡された」

瀬尾まいこさんの作品です。

本屋大賞って?

書店員さんたちが、自ら読んで「面白かった本」「お客様に勧めたい本」「自分の店で売りたい本」という書店員さんたちが投票で決めた本です。

つまりこの「そして、バトンは渡された」は多くの書店員さんの指示を得て堂々第1位って事ですね。

見た目も可愛いこの本。

私の主観ですが、感想文を書いておこうと思います。

 

主人公は父親が3人。母親が2人。

家族の形は7回も変わる。

苗字は4回変わる。

こんな風に書くと、いったいこの子はどんな大変な思いをしたのだろう?

この子に何があったの?

本当の両親は?どうしてこんなに親が変わるの?

と、なんとなく主人公の女の子が苦労してきたんじゃないかって思ってしまう。

でも、そう思ってしまう自分の小ささに気づかされました。恥ずかしながら、どこかで親がコロコロと変わる事が不憫な事だと思ってしまっている自分がいたんです。この本はその価値観を変えてくれました。

一言で言うなら

「幸せな話」

一般的な家庭の形とは少し違うだけ。

そう「形」が違うだけで、愛情は一緒。むしろ父親3人と母親2人だから、愛情は一般の2人親より多いんじゃないかな。とすら思う。この子を心から大切に思ってる親が5人。ちょっと羨ましいと思ってしまうくらい。

親が変わる事、もちろん苦労したり気を遣うことも描写されてはいるけれど、それぞれの親から受けた愛情が主人公にいっぱい詰まっていて、真っ直ぐで優しく育っている。

私も1人の親として、子どもに注ぐ愛情の大切さを改めて感じました。

普段の忙しさの中、本を読む時間もゆっくり取れず、大好きだった読書から遠ざかっていました。それに読んでいてもどこかで心が急いでいて、感情移入が出来ない。心ここにあらず。だからいい話でも半分は上の空。涙脆い私は昔は本を読んでヒクヒクと泣いてしまうほどだったけど、今は泣いてる暇もない。だから感動しても心がグッっと蓋をしてしまう。

だけど、この本は読んでいて自然と引き込まれて最後には幸せで嬉しくて、涙が出ました。とっても優しい気持ちになりました。

強引に悲しいことが起きたり、感動することが詰まっているわけでもなく、ただただ主人公の女の子の日常が描かれていて、その日常がちょっと変わっているけど幸せで、最後に幸せでホロっとホッコリ。

また本が読みたい!って読書好きの自分に戻れた気がします。

あらすじ

主人公は「優子」

もうすぐ小学校1年生。父と祖父母と暮らす。母は「遠くへ行ってしまった」と聞かされて育った。

入学式の日、ズラーッとならぶ「母親」を見て自分の母親はなぜ来てくれないのか、どこにいるのか、父に聞くと「もう少し心が大きくなってから」と言われる。

そして1年後、母親は「事故で亡くなった」事を知らされる。それは父が素敵な女の人を連れてくる少し前のことだった。

父の連れてきた人は「りかさん」すごく綺麗で華やかで、優子に「女の子でいる事の素敵さ」を教えてくれた人。優子の母親になれた事を本当に喜び大切にしてくれる。

でもその後父のブラジル出張が決まる。父とブラジルへ行くか、りかさんと日本に残るか。悩んだ末、友達のいる日本を、つまり実の父ではなく、りかさんとの暮らしを選ぶ。

りかさんと父は離婚し、りかさんと2人の生活が始まる。貧乏だけど、りかさんはいつも明るくて華やか。血の繋がっていない優子を引き取りに育てる!と決意するほど優子への愛情は大きい。

中学生になった優子が「ピアノが弾きたい」と言ったことがキッカケになり、りかさんは「絶対にピアノなんとかする!」と言い、ある日「新しい父親」「大きな家」「防音室のグランドピアノ」が一気に現れる。家政婦付きの大豪邸での生活に戸惑いながらもピアノを弾く事に没頭する。

これが2番目の父親との生活。

でも、りかさんは仕事もしない、家事もない日常が息苦しくなり出て行ってしまう。

ある日「離婚する」と言い優子を連れて豪邸を出る。

そして3番目の父親と再婚。

「東大出身」「一流企業」に勤めるちょっと「抜けてる変わった人」

優子に頭のいい父親を。りかさんが選んだ相手。あっという間に離婚。りかさんが出て行って戻って来なかった。

高校生の優子は3番目の父親と暮らす。変わってるけど、一所懸命で優子を大切に思ってる。始業式だからって気合いを入れて朝からカツ丼を作るような人。優子が落ち込んでると毎日でも餃子を焼くような人。そんな父親。高校生の優子は「血の繋がり」を考えたりもするが、3番目の父親に、なんでも話し、一緒にご飯を食べる。

「子どもがいると明日が2つになる。一つは自分。もう一つは子どものまだ知らない新しい明日。」(確かこんなセリフ。早速人に勧めて貸してしまったので読み返せない…)

3番目の父親「森宮」は本当に明日が2つになったと、急に高校生の親になった事も、りかさんが出て行って子どもと2人になった事も全部受け入れ「父親」として立派に優子を育てようとする。

高校生の優子と森宮のやりとりが、面白くて、なんか抜けていて、ほのぼのとしている。

思春期の娘に私はこんな対応をしてあげられるだろうか?とふと我に返ったり。

そして最後は優子の大切な日をりかさんと3人の父親がお祝いしてくれる。

亡くなった母親も含めてみんな優子を大切に思っている。

そんな素敵なお話でした♡

優子の為に森宮が作るご飯も個人的にはすごく美味しそうで、パワフルで好きでした!

本の詳細